書の伝統と創造
−比田井天来と南谷・欧米の絵画−

1999年1月17日〜5月23日

揮毫中の比田井天来
展覧会概要 比田井天来(1872-1939)は、近代日本の黎明期に、「書は東洋独自の芸術である」という明確な自覚のもとに、理論と作品の両面で新たな世界を切り開きました。その活動は20世紀日本の書道の基盤を作り、門下からは、現代の書壇の指導者となる逸材が輩出しています。
天来は、その生涯の多くを遊歴に費やしました。北は樺太から南は台湾まで、膨大な数の作品が残されています。中でも、故郷である長野県には、多くの作品が大切に保存され、その書業を伝える優れた名品がそろっています。
天来の門下からは、20世紀日本の書壇の指導者が数多く生れました。天来の息子である南谷は、書の独自性は「筆による線表現」にあるとして、みずから「心線作品」と呼ぶあらたな分野を開拓しました。南谷は、1950年代から70年代にかけて、活動の拠点をアメリカにおき、作家活動のかたわら、書芸術の本質と多彩さを在米のアーティストたちに紹介しました。
「書の伝統と創造 比田井天来と南谷・欧米の絵画」と題した本展覧会は、長野県下に所蔵されている天来の作品を中心に、南谷の小品、さらに書から影響を受けたアーティストたちの作品を展示するものです。
天来の作品は、20才代から最晩年まで、未発表の作品が中心となっています。また、南谷の小品は、もっとも脂ののりきった40歳代から60歳代の典型的な作風が網羅されており、今までに例を見ない、貴重な展示内容となりました。
展示作品 比田井天来 比田井南谷 欧米の絵画 拓本