所蔵作品展2
栗林今朝男展
10/26(日)12/23(火)

天空に嘶(いなな)く 2003年 油彩 F120号

1924年6月、北牧村(現小海町)に生まれた栗林今朝男画伯は、第2次大戦復員後、郷土の小学校、高校の教職に就かれました。この頃から油絵を描き始め、長野県展入選(52年)、国展入選(55年)後、フォルム画廊(東京銀座)での初個展に始まり数々の個展を開催され、その名は多く方々に知られる様になります。また、現代日本洋画精鋭作家賞(74年)、終戦50周年記念パリ芸術祭グランプリ(95年)、国際芸術文化賞(97年)、マレ芸術褒賞(97年)と数々の賞を受賞され、98年には紺綬褒章を受章されています。郷土の文化活動にも貢献され、現在、国画会会員同審査員長、信州美術会会員、佐久美術会会員(顧問)、栗林洋画研究所主宰と活躍されています。今年画伯から小海町に15点の作品が寄贈され、当館の所蔵作品は40点となりました。本展は、今年寄贈頂いた作品と、新作を含め本展のために画伯から出品いただいた当館での展示ははじめてとなる作品及び、所蔵品合わせて54点で構成されます。私たちは、50年以上洋画に取り組み、画家としての成熟を見せながらもなお創作へと向かう画伯の熱意を感じることができ、作品の中核をなす馬を主題とした作品からは、子どもの頃生活を共にしていた馬を通して語られた画伯の人生観、夢、希望を聴くことができるでしょう。

展覧会によせて雑感
私はしばしば夢を見ます。若かった昔に体験した戦場での切羽詰まったどたん場の夢や、絵が描けないで苦悶している夢もよく見ることがあります。私は写生画家ではありませんからアトリエに籠って仕事をすることが殆どです。しかし私も具象を主とした仕事ですから、馬や花や静物風景等々全般にわたって素描をして廻ります。これは私がアトリエで絵を描くことに大変参考になるからです。というよりはその素描が私の絵の題材となって来るからです。私は技術的に全く優れておりませんから、絵画の表現に当ってはとても苦労しているのです。苦労したからといって思う表現には決して結びついてはくれません。そんな時絵に関連した夢を見るのです。そしてその夢はとても手際よく創作できたりしてハッと目が覚めるのです。夜が明けて、昨夜の夢を思いつつ筆を進めてみるのですが、まだ一度もそのために成功したという例はありません。かえって大切な一日を棒に振ってしまいます。けれども夢の表現は不思議と私のこれからの方向を示してくれているように思えるのです。今は出来ないけれど「何時かやれる。」 私に課題を与えてくれるのです。私は、私の好む形を探します。そして私の好む色彩を追求するのです。その場合自然は私の先生となりますが、私は決して自然の総てに頼ることはしていません。拙い私ではありますが、私なりの境遇や私なりの体験から生まれた私の絵画がきっとある筈です。だから自分の形、自分の色彩にこだわることが、私にとって重要になるのです。そんな私の私の作品ですが、よろしく御高覧いただきたくお願い申し上げます。終りに町当局、町民の皆様、そしてご高覧いただく多くの皆様に厚く御礼申し上げます。 2003年10月26日 国画会会員 栗林今朝男